食道癌の体験談

食道癌の体験談

esophagus cancer

声がかすれるという症状

先日、どうにも止まらない咳と、声がかすれるという症状があったので、病院に行きました。
最初の診断では、喉がはれているので、風邪ではないかということで、しばらく様子を見ていたのですが、なかなか治らず、困っていました。もちろん、その時点では食道がんなどという意識はまったくなく、ひどい風邪程度に思っていました。特に自分は、仕事で人と話す機会が多いため、自分でも苦痛であるのと、お客様からも心配される機会が多くありました。そこで、もう一度病院にいったところ、先生から精密検査を受けてみることを勧められ、受けてみることにしました。

現在、喉の検査というのは非常に高度になっていて、胃の検査に使う内視鏡で、食道も調べることができるとのことです。私も、胃の検査と同時に、食道の検査をしてもらいました。
結果的に食道がんが見つかりましたが、早期のため、現在は完治して数年がたちます。
以前と比べて、先ほどの内視鏡などの技術の進歩により、胃がんの健診の際に食道がんも一緒に見つけることができるので、早期発見、完治の確率もかなり上がっているという先生のお話でした。

大変な手術

胃がんやすい臓がんに比べると食道がんと宣告されるほうがまだ希望がもてるし、手術も簡単そうだという間違った思い込みをしていました。
食道がんになると、食道を全摘出して人工の食道を胃に繋げるという大手術をしますので、手術そのものも大掛かりですし、術後の食事も慣れるまでが大変です。

私の友人に食道がんの大手術をした者がおります。
食道がんの治療のため、しばらく休職するという話を聞いた時、最初に感じたのが先ほどのような思い込みでした。食道のポリープを取った知り合いがいましたので、それと同じような感覚でいたのです。すぐに復帰するだろう、すぐに元気になるだろう、そんなふうに軽く考えていました。

しかしながら、復帰後みるみる痩せていく友人を見て、食道がんは術後の回復にとても時間がかかる病気であることを初めて知りました。一度にたくさんの量を食べられないので自然と痩せていくそうです。友人は術後3ヶ月で25キロも痩せました。
しかし徐々に空腹感を感じるようにもなり、元気になっていきました。食事の量は少ないままでしたので体重は増えませんでしたが、それでも元気になってホッとしました。

初期症状が少ない食道がん

食道がんは、初期症状が少なく、自覚症状で発覚することが少ないがんのひとつです。
飲みすぎや食べすぎ、ちょっとしたストレスなどでも胸焼け、喉のつかえを感じることがありますので、そのような症状が出ても一概に食道がんだとは言えません。

私は三年ほど前に食後胸焼けがして時にはもどしてしまう、という症状が続いたことがありました。私はネガティブな性格なので、きっと食道がんだと思い込んでしまいました。喫煙もしますし刺激物も好き、おまけにどれだけダイエットしても減ることのなかった体重がみるみる減ってしまいました。
怖くてなかなか病院に行けなかったのですが、家族に半ば強制的に連れて行かれ、徹底的に検査をしました。
結果は、ストレスによるもの、ということでした。体重の減少も、がんかも知れないと思い込んだことによるストレス、食欲不振が原因でした。

一方で、検査の前日まで食欲旺盛で体重も平均以上、なんでも好きなものを食べていたという私の従兄弟は他の病気の検査で食道がんが見つかり即入院、手術にて食道の摘出をしました。自覚症状は全くなかったそうです。
自覚症状がなくても定期的な検査が、そして自覚症状がある時は勝手に決め付けずにまずは病院へ行くことが大切だと言えそうです。

食道がんは恐ろしい病気

がんは進行の度合いや部位によっても死亡率、進行速度がずいぶん異なる病気ですので一概には言えませんが、食道がんは相対的に進行が早く、死亡率も高いがんです。それだけに早期発見が望まれます。

私のサラリーマン時代の同期の一人が食道がんで亡くなりました。
最近の若い人は何かと健康志向ですが、私たちの年代では健康を意識して生活するというのがダサいと申しますか、そういう風潮がありました。男が健康なんか意識してどうする、というような感じです。

そんな中にあって、その友人は特に健康意識が高かったように思います。
会社の健康診断以外に年に一度必ず人間ドックを受けていて、食道がんも人間ドックにて見つかりました。全く自覚症状もなく、ごく初期の段階で転移もないということでした。その段階で食道がんが見つかることはとても稀で、実にラッキーだと話していました。

にも関わらず、食道がんだと診断されて一年後には逝ってしまいました。本当にあっという間で驚きました。
私は遺族ではありませんので詳しい経緯は分かりませんが、きっと見つかった時には言うほど初期ではなかったか、既に転移していたのではないでしょうか。
とにかく食道がんは恐ろしい病気です。

自分で食道がんを発見した母

がんは知らないうちに進行して発見された時には遅い、ということもあると聞きますが、食道がんは自分で発見できるガンだと思います。
私の母は食道がんになりましたが発見したのは母自身です。

病気一つしたことなくいつも元気で食欲旺盛な母がなんとなく食事が喉を通らなく感じたのは秋頃でした。
喉を通る時に詰まったような気分になったりうまく飲み込めないので、最初は心理的なストレスで食欲が減退しているのかな・・・と思ったそうです。
でもお腹は空くので、精神的なストレスではないと気づいてすぐに内視鏡の検査をしました。
結果は食道がんでした。

内視鏡検査をした医者は「よくこんなに小さい状態で気づいて検査に来ましたね」と褒めてくれました。
けれどすぐに入院して検査・手術をしなくてはいけませんでした。
しかも食道がんはほとんど食道を摘出してしまわなければならない大きなものです。こんなに早期発見でも大きな手術になってしまう、転移の早い本当に怖い病気です。
少しでも食道に違和感を感じたら検査をするべきだと思います。